こんにちは、アメリカで駐在員をしているぽこぺんです。
企業のグローバル化にともない海外で駐在員として働く人も昔と比べて増えてきていると思います。
筆者もアメリカで5年以上駐在員として働いています。
駐在員になりたくてなった人、そうでない人、いろいろいるかと思いますが、
ここでは筆者が感じた駐在員のメリット・デメリットをまとめてみたいと思います。
主にアメリカを対象としていますが、他の国でも多々当てはまると思うので参考にしてください。
駐在員のメリット
英語が上達する
英語圏ではない駐在先でも現地社員と英語をでやりとりすることが多いので必然と英語が上達します。というより英語ができないと仕事になりません。
ただし仕事で使う英語は必ずしもネイティブのような流暢な英語である必要はなく、あくまで自分の考えが相手に伝わればいいのです。
アメリカで駐在をしている筆者は駐在前からTOEIC940点、英検1級を持っていました。海外留学等は無く、あくまで日本でこつこつ英語を勉強してきた結果です。
それでもアメリカに来てはじめの数カ月は英語に苦労をしました。
5年過ぎた今でもネイティブの話している内容がわからないということはありますが、だいたいのことは理解できるようになりました。
収入が増える
海外駐在員の場合、海外赴任手当として通常の給与に加えてまとまった金額の手当がもらえます。
会社や職務階級によって手当の額は変わってきますが、一般に日本の給与と比べて1.5倍程度は増えます。
家賃も大抵は上限等の制限はありますが支給されることがほとんどかと思います。
だから海外駐在後に家を購入できる程度のまとまった貯金がある人も少なくありません。
また直接的な収入以外でも、例えば社用車が支給されたり、医療費が全額補助(海外保険適用、保険費用会社負担)になるといった福利厚生が日本で働いている場合よりも恵まれています。
異文化理解が深まる
日本の常識は世界の非常識。日本で働いていたときは仕事中心の生活を当たり前と考えがちですが、アメリカは全く逆。
家族中心で残業する人はほとんどいません。金曜日はお昼すぎからオフィスの人が徐々に減り始めて夕方5時に残って仕事をしているのは日本人駐在員だけなんてことも珍しくもありません。
仕事の進捗が予定に対して遅れていてもそれを挽回するために残業するなんてこともなく、仕事の遅れはそのままどんどん後ろ倒しにずれていくなんて、こちらに来た当初は(今でも?)ストレスだらけでした。
マネージャークラスの人が2週間程度のまとまった休暇をとるなんて、日本人の感覚からすると、は〜?って感じかもしれませんがこちらはそんなの気にする人はいません。
むしろ当然の権利という認識でしょう。
自然災害が少ない
これはどこに住むかによって大きく変わりますが、私の住んでいるあたりでは自然災害というものを経験したことが殆どありません。もちろん強風による倒木や少し離れた場所での山火事はありましたが直接私自身が被害を受けた自然災害は今の所ありません。
こちらに来てからも日本では何度と無く地震、台風、噴火、豪雨といったニュースをネットを通じて見聞きする中で、つくづく日本は自然災害の多い国だなと実感しました。
若いうちからマネジメント経験がつめる
日本で働いているときとアメリカで駐在員として働く場合、求められるものが異なることがあります。
特に日本の製造業の場合、日本国内の拠点で技術開発を行いそれを海外工場に展開するといった事例が多いかと思います。
エンジニアとして国内で働いている場合は新製品開発や新規技術開発が主な職務になるかと思いますが、海外工場ではそれらの技術をいかにスムーズに水平展開するかが駐在員の仕事になってきます。
現地社員とコミュニケーションをとりながらどうやって日本発の技術を現地展開するかをマネジメントすることが求められます。
日本では多くの大手企業では高齢化が進み7割は課長にもなれないと言われるようになっている中で、海外にでることで若いうちから人やプロジェクトをマネジメントする貴重な経験が得られます。
日本から行きにくいところに旅行に行ける
日本からは欧米に旅行に行こうとすると往復だけで2日以上かかったりします。
だからそういったところに行くためにはまとまった休みを取らなければいけないですが、日本ではGWや年末年始を除くとそういった休暇はなかなか取りづらいですよね。
その点、海外駐在ではすでに海外にいるのでそこを拠点に旅行をしようとしたら国内線でも2,3時間あればそれなりの観光地に行くことができます。
また日本と異なり1週間程度のまとまった休みを取りやすいのでなおのこと日本から行きにくい遠い国へ旅行に行くことができます。
私もこれまでニューヨークやフロリダ、ロサンゼルス、イエローストーンなどアメリカ国内のいろいろな観光地を旅行してきました。
駐在員のデメリット
言葉のストレス
日本では意識することはあまりないですが、海外で働くとなると言葉の壁がでてきます。
伝えたいことがうまく言えなかったり、伝わっていなかったりと些細なことでもストレスになります。
英語好きであればそういうところもうまく乗り越えられると思うのですが、もともと英語に苦手意識があると言葉の部分で嫌になってしまうこともあるかもしれません。
文化の違い
海外で働きはじめたときは、たびたび日本とアメリカでの仕事の進め方の違いにとまどいました。日本では仕事が納期に間に合わなさそうなときは残業して対応することはよくあると思いますが、アメリカでは残業してまで働くということはまずありません。
またフレックス制の職場では朝の5時ぐらいに出社して2時過ぎには帰宅するという社員も少なからずいます。
だから午後に打ち合わせをしようとしたらすでに担当者が退社していたということがよくあります。それでも緊急のときはEメールやショートメールまたは直接電話をして確認をしていましたが、海外赴任直後は英語で電話をするというのも勇気がいるので非常に戸惑いました。
会社内での限られた日本人との付き合い
海外拠点では日本国内拠点と比べて日本人の数が少ないです。その限られた人たちと日本人同士のウェットなつきあいをするのが苦手な場合はストレスになります。
出張者対応
日本から社内出張者が来る場合は空港への送迎、夜の会食、週末の観光ガイドといった本来の仕事とは直接関係ないようなことも面倒を見る必要があります。こういったことも駐在員特有の業務(?)になります。
就学児童の日本人補習校
未就学児は関係ありませんが就学児童がいる場合、平日は現地の学校に通い、週末(主に土曜日)に日本人補習校に通うことになります。子供は月曜から土曜日まで学校に行き、両親もその送迎があったりで、土曜日に遊びに行くことも満足にできなくなります。
日本食が少ない・値段が高い
アメリカでは日本のように簡単に日本食が食べられません。
日本食レストランは大都市にはありますが、地方都市では非常に少ないでしょう。
寿司はアメリカでもありますが、必ずしも日本人が運営しているとは限らず(日本でも中華料理屋が中国人ではなく日本人がやっているのと同じ)、そういったお店ではカリフォルニアロールといった巻物系が多いです。
また現地スーパーでも一部日本の食品を売っていますが、生魚をあまり食べないアメリカ人にとって生の魚は取り扱っても買う人がほとんどいないので刺身等は売っていません。日系スーパーがあれば日本の食品の取り扱いがありますが、値段が日本の1.5倍くらいします。
治安が良くない
日本は世界的にみても治安が良い国です。アメリカでは銃撃事件や誘拐事件といったニュースをよく耳にします。最近でも私の家から車で20分ぐらいの学校で銃撃事件がありました。犯人は警察に追われ、その後銃で自殺したようです。
多かれ少なかれこのような事件はあります。
日本でもいろいろな事件はありますが、相対的にアメリカの方が治安は良くはないでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
駐在員にもいろいろなメリット・デメリットがありますし、ここには書ききれないこともまだたくさんあると思います。
ただ個人的には若いうちに海外駐在することはデメリットよりもメリットのほうが多いと思うので、もし若くしてそのような機会がありそうならば積極的にしたほうがいいと思っています。
この記事が少しでも参考になれば嬉しいです。